AI検索広告とは?ChatGPT広告・Google AI Overviews広告・AI Maxの仕組みと始め方を解説

 
 

この記事でわかること

  • AI検索広告とは何か(狭義・広義・AIO/LLMOの違い)

  • 日本で今できること・まだできないこと

  • 主要媒体(Google・OpenAI・Microsoft・LINEヤフー等)の最新動向

  • 出稿前の準備と始め方

谷田 朋貴

監修者プロフィール

谷田 朋貴


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一橋大学卒業後、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、株式会社メディックスを経て、株式会社電通デジタルに入社。国内大手クライアントに対して、デジタル全体のプロモーション施策の戦略立案・実行に従事。また、生成AIを活用した自社業務の効率化にも取り組む。2023年12月、SEO・LLMOコンサルティングやデジタルマーケティング支援、生成AIを活用した業務効率化支援を行う株式会社アドカルを創業。

AI検索広告とは、ChatGPTやGoogleのAIによる概要(AI Overviews)・AIモードなど、AIが回答や提案を生成する画面に、ユーザーの質問や文脈に応じて表示される広告のことです。2026年6月時点では、ChatGPT広告は日本でもパイロット展開が始まっており、GoogleでもAI Overviews周辺への広告表示やAI Maxへの移行が進んでいます。本記事では、まず結論を整理したうえで「今できること・まだできないこと」を切り分け、主要プラットフォームの最新状況と始め方までを、公式情報や主要報道をもとに解説します。

目次

この章では、AI検索広告の基本的な定義と、混同されやすい用語の整理、そして従来のリスティング広告との根本的な違いを解説します。最初に全体像を押さえることで、後続の媒体比較や始め方の理解がスムーズになります。

AI検索広告は質問や文脈に応じてAI回答画面に表示される広告

AI検索広告とは、ChatGPT広告やGoogleのAI Overviews・AIモードといった、AIが回答や提案を生成する画面の中や周辺に、ユーザーの質問文や会話の文脈に応じて表示される広告を指します。従来の検索広告が「検索結果のリスト」の上下に並んでいたのに対し、AI検索広告はAIが生成する回答の内部や、その上下に溶け込んで表示される点が特徴です。たとえばOpenAIの公式説明によれば、ChatGPT広告は回答の下部に「スポンサー(Sponsored)」と明示された枠で表示され、回答内容自体には影響を与えない設計とされています(出典:OpenAI公式「ChatGPTでの広告のテスト」)。ユーザーが情報を比較検討する「対話の瞬間」に接点を持てることが、この新しい広告枠の本質です。

「狭義」「広義」「AIO・LLMO」を分けて理解する

実務で「AI検索広告」という言葉を使うときに注意したいのが、複数の異なる概念が同じ言葉で語られている点です。AI回答の中に出す広告(狭義)と、AIで従来の検索広告を自動最適化する仕組み(広義)、さらに広告ではなくAIに引用・推奨されるためのコンテンツ対策であるLLMOは、目的も打ち手もまったく異なります。混同したまま社内で議論すると、判断を誤りやすくなります。下表で整理しておきましょう。

表1:AI検索広告に関する主要用語の整理

用語意味代表例
狭義のAI検索広告AI回答・AI検索画面の中に表示される広告ChatGPT広告、Google AI Overviews内広告、AIモード広告
広義のAI検索広告AIで従来の検索広告を自動最適化する仕組みGoogle AI Max、P-MAX、レスポンシブ検索広告
AI検索対策(AIO・LLMO)広告ではなく、AIに引用・推奨されるためのコンテンツ対策AI Overviews対策、ChatGPT内でのブランド露出対策

従来のリスティング広告との違いは配信の起点にある

AI検索広告と従来のリスティング広告の最大の違いは「配信の起点」にあります。従来はキーワードや検索語句が起点でしたが、AI検索広告では質問文や会話の文脈、AIが生成した回答の内容が起点になります。広告主が細かくキーワードを入札指定する従来型に対し、AI検索広告ではAIが文脈にあわせてマッチングを制御するため、広告主が直接動かせる要素は限られます。効果測定の考え方も、クリックやコンバージョン中心から、表示や会話後の行動・ブランド想起まで含めた評価へと広がります。

表2:従来のリスティング広告とAI検索広告の違い

比較項目従来の検索広告AI検索広告
配信の起点キーワード・検索語句質問文・会話文脈・AI回答の内容
表示場所検索結果の上部・下部AI回答の中・回答の上下・会話画面の下部
広告文広告主が作成した広告文が中心AIが文脈に合わせて表示・生成を補助する場合がある
効果測定クリック・CVが中心表示・クリックに加え、会話後の行動やブランド想起も重要
主な課題CPC上昇、キーワード管理透明性、計測、ブランド毀損、出稿可否

この章では、なぜ今AI検索広告が注目を集めているのかを、検索行動の変化とゼロクリックという課題、そして市場規模の予測という3つの角度から整理します。背景を理解すると、各媒体が新しい広告枠を急いで用意している理由が見えてきます。

検索行動がキーワード入力からAIとの対話へ移っている

生活者の情報探索は、キーワードを入力して結果一覧から選ぶスタイルから、AIに質問して要約された答えを受け取るスタイルへと移りつつあります。GoogleはAIモードの月間アクティブユーザーが10億人を超えたと2026年5月の公式ブログで発表しており(出典:Google公式ブログ「Search at I/O 2026」)、AIによる回答が「例外的な体験」から「標準的な検索体験」へと定着しつつあることがうかがえます。日本でも、博報堂DY ONEの調査では生活者のAI検索利用率がおよそ3割に達したとされ、中高年層を含めて利用が広がっている状況です(出典:Hakuhodo DY ONE「AI検索白書2026」)。検索の入口がAIとの対話へ移ることで、広告も「リストの中」から「回答の中」へと場所を変えつつあります

ゼロクリックでクリックだけでは成果を測りにくくなっている

AIが回答を要約して提示するようになると、ユーザーが外部サイトへ遷移せずに情報取得を終える「ゼロクリック」が増えます。各種調査ではゼロクリックの割合や流入減少率に幅があり、たとえばオーガニッククリックの大幅な減少を指摘する報道もありますが、数値は調査主体や時点によって差が出ます。重要なのは単一の数字を断定することではなく、クリックだけでは広告効果や流入を評価しづらい検索体験へ変わりつつある、という構造の理解です。表示や引用といった「クリック前の接点」を評価軸に加える発想が求められます。

AI検索広告の市場規模は今後の拡大が予測されている

市場規模については、米国のAI検索広告市場が2026年時点でおよそ20億ドル規模に達し、2029年前後には約260億ドル規模へ拡大し、検索広告市場全体の1割強(13.6%)を占めるようになるとの予測が報じられています(出典:eMarketer)。あくまで予測値であり前提条件によって変動しますが、検索広告のなかでAI回答内の広告が無視できない比率を占めていく方向性は、各社の動きからも読み取れます。日本市場でもChatGPT広告のパイロット開始やLINEヤフーのエージェント型広告構想など、土台づくりが進んでいます。

この章は本記事の中核です。媒体ごとに「今すぐできること」と「まだできないこと」が大きく異なるため、日本の広告主が誤解しやすいポイントを切り分けて整理します。なお提供状況は変動が速いため、出稿判断の際は必ず各媒体の最新の公式情報をご確認ください。

Googleは既存キャンペーン経由でAI Overviews周辺に広告を表示できる

GoogleのAI Overviewsとは、検索結果上でAIが要約回答を表示する機能です。AI Overviewsの上部・下部への広告配信は、AI Overviewsが利用できる200以上の市場で対象とされ、既存の検索・ショッピング・P-MAX・アプリキャンペーンが配信対象になります。一方で、AI Overviewsの「内部」に広告を挿入する形式は、Google公式ヘルプの説明では英語のモバイル・デスクトップで、米国・カナダ・オーストラリア・インド・シンガポールなど一部の国に限定されており、日本は現時点で対象外です(出典:Google広告ヘルプ「AI Overviews と広告について」)。AI Overviews内だけを直接ターゲティングしたり、配信からオプトアウトしたり、AI Overviews内に出た広告だけを分離してレポートしたりすることは、現時点ではできません。

ChatGPT広告は日本を含む一部地域・一部プランでテスト展開中

ChatGPT広告は、OpenAIが2026年2月に米国でテストを開始し、3月にカナダ・オーストラリア・ニュージーランドへ拡大、5月7日には日本を含む英国・ブラジル・韓国・メキシコの5カ国へのパイロット拡大を発表しました。日本では2026年6月18日に、電通デジタル・Hakuhodo DY ONE・サイバーエージェントが国内ローンチパートナーとしてパイロット運用の開始を発表したと報じられています(出典:ITmediaImpress Watch)。

対象は無料版とChatGPT Goのログイン済み成人ユーザーで、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduには表示されず、18歳未満にも表示されません(仕様の詳細:OpenAIヘルプ「Ads in ChatGPT」)。ただし、日本の全ユーザーへの一般配信や全広告主の即時セルフサーブ出稿が確定したわけではなく、出稿検討時はパートナー経由の相談やOpenAIの広告主向け登録が主な確認先となります。

AI回答の中だけを狙い撃ちできない媒体が多い

共通して押さえておきたいのが、「AI回答の中だけをピンポイントで狙う」ことが現時点では多くの媒体で難しいという点です。GoogleではAI Overviews内に出た広告だけを単独のセグメントとして分離レポートすることはできず、ChatGPT広告も会話の文脈にAI側がマッチングを制御するため、広告主が回答内容を買ったり指定したりはできません。「AI回答に自社を出したい」という要望の多くは、実は広告(Paid)ではなくAIに引用・推奨されるための対策(AIO・LLMO)の領域であり、両者の役割分担を理解することが出発点になります。

日本で使える機能と未提供の機能を分けて確認する

日本市場の現状を整理すると、「使える/まだ使えない」が媒体ごとに分かれています。出稿の可否を以下のように切り分けて確認するとよいでしょう。

今、日本で着手できること

  • ChatGPT広告:パートナー経由のパイロット相談が始まっている
  • Google:AI Overviewsの上下への配信は既存キャンペーンで可能
  • AI Max for Search:日本でも提供が進む広義のAI最適化機能

まだ日本で使えない・未確定なこと

  • Google AI Overviews”内”広告:日本語・日本は現時点で対象外
  • AIモード広告:米国中心で日本展開時期は未定
  • AI回答内の個別ターゲティング・分離レポート:現時点で不可

この章では、日本の読者の関心が高い順に主要プラットフォームの最新状況を比較します。媒体ごとに広告のかたちも提供範囲も異なるため、まず全体像を表で俯瞰してから個別に解説します。なお、AnthropicとPerplexityは広告を出す媒体ではなく、方針を理解するための比較対象として位置づけています。

表3:主要プラットフォームの比較

媒体現状(要・最新確認)広告形式日本での注意点
GoogleAI Overviewsの上下広告は200以上の市場で対象。内部広告は英語・一部国に限定され日本は対象外AI Overviewsの上下・内部、AIモード広告、AI MaxAIモード系の日本展開は未定情報あり
OpenAIChatGPT広告を日本含む一部地域でパイロット展開中回答下部のスポンサー表示、文脈連動広告無料版とGoプランのみ対象、上位プランは非表示
MicrosoftCopilot/Bing系で会話型広告を展開・検証会話型広告、AIサーフェス向け広告BtoB・LinkedIn連携の文脈で整理すると分かりやすい
LINEヤフーAgent iを展開、エージェント型広告は検証・導入予定段階AI接客・推奨型広告の可能性広告商品として断定せず、提供時期は要確認
Anthropic/PerplexityClaudeは広告非表示を明言/Perplexityは広告モデルを見直しサブスク重視原則なし(比較対象)「載せない/慎重」と整理する

Google:AI Overviews内広告・AIモード広告・AI Maxの違いを押さえる

Googleで混同しやすいのが、「AI Overviews内広告」「AIモード広告」「AI Max」を別物として切り分けることです。前2つはユーザー側の検索面(どこに広告が出るか)であり、AI Maxは広告主側の自動化機能(どの仕組みで届けるか)です。Googleは2026年4月、AI Max for Search campaignsをベータ終了・一般提供へ移行すると発表しました(出典:ビジネス+IT)。

当初、動的検索広告(DSA)の自動アップグレードは2026年9月開始予定でしたが、その後Googleは広告主のフィードバックを受けてDSAの移行開始を2027年2月に延長しています。一方、自動作成アセット(ACA)とキャンペーン単位の部分一致設定は予定どおり2026年9月からAI Maxへ自動アップグレードされ、AI Maxは新規検索キャンペーンのデフォルト設定にもなっています(出典:Google公式ブログSearch Engine Land)。

なお、対話型のAIモード向け新広告フォーマットは米国向けの発表が中心で、日本での展開時期は未定の情報を含む点に留意してください。スタンドアロンのGeminiアプリ内には広告を出さない方針も示されています(参考:Gadget Gate)。

OpenAI:ChatGPT広告は文脈連動型として日本でも拡大中

OpenAIのChatGPT広告は「これから始まる」段階ではなく、すでに一部地域・一部プランでテスト展開中で、日本でもパートナー経由のパイロットが動き出しています。会話のトピックや文脈を手がかりにAIがマッチングを制御する文脈連動型で、米国ではセルフサーブ型の広告管理画面が開放され、最低出稿額が撤廃されるなど中小規模からも試せる方向に進んでいます(参考:claypier)。また、一部の報道では、ChatGPT経由のコンバージョン率やクリック率が従来の検索広告を上回る可能性も示されていますが、初期段階の数値である点は割り引いて見る必要があります。

Microsoft:Copilotで会話型広告とB2B接点を強化する

Microsoftは、Copilot(旧Bing Chat)をBing検索に統合し、会話型広告を展開・検証しています。Microsoft AdvertisingはAI MaxをCopilot SearchやCopilot Answersといった生成AIのサーフェスへ関連広告を届ける手段として位置づけています(出典:Microsoft Advertising公式ブログ)。加えてBtoB向けには、同社が保有するLinkedInのプロフィール情報(役職・業界・企業規模など)を使ったターゲティングとの組み合わせも強みとされ、企業の意思決定者へアプローチしやすい構造にあります。検索キーワードでの獲得が中心のGoogleとは異なる、BtoB文脈での接点づくりという観点で整理すると位置づけが分かりやすくなります。

LINEヤフー:Agent iはAI接客・エージェント型広告の基盤として注目

LINEヤフーは2026年4月にAIエージェントの新ブランド「Agent i」を提供開始しました(出典:LINEヤフー公式プレスリリース)。お買い物・おでかけ・レシピなど複数の生活領域に対応し、メモリ機能やタスク実行機能、企業向けの「LINE OA AIモード」「Agent i Biz」を段階的に展開する計画です。同社は2025年度決算の事業方針で、2026年度中にエージェント型広告の導入を予定していると説明しており(参考:Ledge.ai)、お買い物やおでかけの対話の文脈に企業・店舗の情報を組み込むかたちが想定されます。ただし現時点では広告商品として確定したものではなく、提供時期も含めて検証・準備段階として捉えるのが適切です。1億人規模のユーザー基盤と100万以上の公式アカウントを持つ点が、国内ならではの強みといえます。

AnthropicとPerplexity:広告に慎重・距離を置くAI検索サービス

急進的なマネタイズを進める各社とは対照的に、AnthropicとPerplexityは広告と距離を置いています。両社を安易に横並びにせず、経緯の差を踏まえて理解することが大切です。

  • Anthropic(Claude):広告を掲載しない方針を明言。2026年のSuper Bowl CMで広告型AIを皮肉り、「Claudeは考えるための空間」という思想を打ち出した(出典:Anthropic公式「Claude is a space to think」Impress Watch
  • Perplexity:一時期広告を試行したが、回答への信頼や収益性の課題から広告モデルを見直し、サブスクや提携モデルを重視する方向へ軸足を移していると報じられている。なお無料プランの廃止は予定していないとされる(出典:WIRED.jp

この章では、AI検索広告がもたらす実務上のメリットと、出稿前に理解しておくべきリスクを対で整理します。新しい広告枠だからこそ、利点と注意点をセットで把握しておくことが重要です。

文脈に溶け込み自然に訴求できるのが最大のメリット

AI検索広告の最大のメリットは、ユーザーがすでにAIの回答を読んで課題を理解している「文脈」のなかに、自然なかたちで解決策を提示できる点です。たとえば油汚れの落とし方を尋ねたユーザーに対し、その手順を補完する商品を提示するように、広告が「割り込み」ではなく「次の一手」として機能します。従来のリスティングが検索意図への即時の刈り取りに強い一方、AI検索広告はユーザーの理解が深まった状態で接触できるため、訴求の納得感が高まりやすいという特性があります。

比較検討の早い段階で見込み客と接点を持てる

AI検索広告は、ユーザーが「何を選ぶべきか」を相談している比較検討の初期段階で接点を持てる点も魅力です。一部の調査では、ChatGPT広告が会話を深めたあとよりも、最初の意図の高いプロンプト入力時に表示される傾向が指摘されており、セッションの早い段階でブランド認知を獲得できる可能性があります。指名検索や別チャネルでのコンバージョンといった、後続行動への波及(ダークファネル)まで含めて見込み客との関係づくりに寄与しうる点が、従来広告との違いです。

透明性・ブランド毀損・偽広告などのリスクにも注意する

一方で、リスクの理解も欠かせません。AI回答と広告の境界が曖昧になりやすく、ユーザーが回答全体の客観性を疑う「信頼の毀損」につながりかねない点は、Perplexityが広告を見直した理由としても挙げられた論点です。加えて、AIによる自動生成で大量のクリエイティブが出稿できるようになった結果、なりすましや誇大表現といった偽広告・アドフラウドのリスクも高まっています。さらに、ゼロクリック前提では効果測定が難しく、貢献度の可視化に追加の工夫が必要になる点も、出稿前に織り込んでおくべき課題です。


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この章では、AI検索広告に取り組む前に整えておくべき実務的な準備を5つに整理します。広告枠そのものより、AIに推奨される土台と計測の整備が成果を左右します。

1. 既存の検索広告・P-MAX・ショッピング広告を整備する

AI Overviews周辺への配信は、既存の検索・ショッピング・P-MAXキャンペーンが自動的に対象になります。つまり、AI検索広告の準備は新しい施策を一から作ることではなく、まず既存キャンペーンの品質を高めることから始まります。検索広告の基本設計を見直す場合は、Googleリスティング広告の設定や広告文・LPの考え方もあわせて確認しておくとよいでしょう。GoogleもAI Overviews内広告のベストプラクティスとして、AI MaxやP-MAX、ショッピング、動的検索広告などのAI活用と、高品質なクリエイティブ・商品フィードの整備を推奨しています(出典:Google広告ヘルプ(ベストプラクティス))。土台となる既存アカウントの健全性が、AI時代の配信効率にそのまま反映されます。

2. 広範囲マッチやAI Maxに備えて除外設定とLPを整える

AI Maxやインテントマッチは、登録キーワードの範囲を超えて検索意図ベースで配信を広げます。便利な反面、意図しないクエリへの配信やブランドの取り違えが起きやすいため、運用前に除外キーワードの設定やブランド保護のルールを整えておくことが重要です。あわせて、AIが内容を読み取って広告文や遷移先を判断する設計のため、ランディングページ(LP)の見出し構造や情報の分かりやすさを整備しておくと、配信精度とコンバージョン率の両面で効果が期待できます。

3. AIに引用・推奨されるAIO・LLMO対策を進める

有料の広告で成果を得る前提として、AIが信頼できる情報源として自社を引用・推奨してくれる状態をつくるAIO(AI最適化)を理解し、LLMO対策とあわせて進めることが欠かせません。具体的には、商品フィードや製品スキーマ(構造化データ)を整え、サイズや品質特性まで細かくマークアップすること、FAQスキーマを実装した高品質なQ&A形式コンテンツを用意すること、専門家の執筆者情報や独自データでE-E-A-Tを高めることが有効です。また、ChatGPTやPerplexityなどに情報を取得してもらうには、AIクローラーの種類や許可・ブロックの考え方も理解しておく必要があります。

Paidで刈り取り、AIO・LLMOで推奨を狙うという役割分担が、AI検索時代の基本設計になります。具体的な確認項目は、LLMOチェックリストを使って、構造化データ・FAQ・一次情報・外部言及などを順番に点検すると進めやすくなります。

4. 広告文を「売り込み」から「解決の次の一手」に変える

AI回答の文脈に表示される広告では、従来の「20%OFF・今すぐ購入」といった強い売り込み型のコピーは、すでに答えを読んでいるユーザーに拒絶感を与えがちです。ユーザーはAIの要約で課題を理解した状態にあるため、広告文は「AIが示した手順を自社の製品が自動化・短縮する」といった、回答とアクションを橋渡しする情報補完型の表現が効果的です。言い換えれば、AI検索広告では広告文も「検索結果で目立つコピー」から「AI回答の続きを担うコピー」へ発想そのものを変える必要があります。割り込む広告ではなく、解決の次の一手を差し出す広告へと切り替えましょう。

5. 表示・クリック・指名検索・CVを横断して測定する

ゼロクリックが前提になると、クリックとコンバージョンだけを追う測定では貢献を取りこぼします。表示・クリックに加え、指名検索の増加やAIでの引用・露出、別チャネル経由のコンバージョンまで横断して見る測定設計が必要です。AI上の露出を測るには、どの質問で自社が候補に出るべきかを定義するLLMO対策のプロンプト設計も重要です。ChatGPT経由の流入は計測タグが欠落しやすく、Google AI Overviews経由のクリックには固有の識別子が付与されるなど、媒体ごとに計測上の癖もあります。クリック前提の決定論的な計測に頼りきらず、全体の投資と成果を統計的に評価する発想を併用することが、これからの効果測定の鍵になります。出稿前のチェックリストとして、以下の5点を確認しておきましょう。

表4:AI検索広告を始める前のチェックリスト

チェック項目確認内容
既存広告検索広告・P-MAX・ショッピング広告の設定は最新か
LPAIが読み取りやすい見出し・FAQ・商品情報になっているか
計測指名検索・直接流入・別チャネルCVも見ているか
ブランド保護除外語句・競合名・誤配信対策は整っているか
AI検索露出ChatGPTやGeminiで自社名が出るか確認しているか

最後に、AI検索広告について実務担当者から寄せられやすい疑問に、結論を先に示すかたちで簡潔に回答します。提供状況は変動するため、最終的な判断は各媒体の公式情報をご確認ください。

AI検索広告は日本でも使えますか

媒体によって状況が異なります。ChatGPT広告は2026年に日本でパートナー経由のパイロットが始まっています。GoogleはAI Overviewsの上下への配信は可能ですが、AI Overviewsの”内部”は英語・一部国に限定され日本は現時点で対象外です。AIモード広告は米国中心で、日本展開の時期は未定の情報があります。「日本でAI検索広告全般が自由に使える」状態にはまだ至っていない、と理解しておくのが安全です。

AI検索広告とGoogle AI Maxは同じものですか

別物です。AI Maxは「広義」、すなわちAIで従来の検索広告を自動最適化する広告主側の機能です。一方、ChatGPT広告やAI Overviews内広告などは「狭義」、すなわちAI回答の中に表示される広告を指します。AI Maxを使うことでAI OverviewsやAIモードといった検索面への配信が最適化される関係にはありますが、概念のレイヤーが異なるため、社内で語る際は「どの面に・どの機能で」を分けて表現すると混乱を避けられます。

ChatGPT広告は誰でも出稿できますか

現時点では、誰でもすぐにセルフサーブで出稿できるわけではありません。米国ではセルフサーブ型の管理画面が開放され、最低出稿額の撤廃により少額から試せる方向に進んでいますが、日本では国内ローンチパートナー経由の相談・運用支援が中心です。対象地域・対象プラン・審査などの条件があるため、出稿を検討する場合はパートナーへの相談やOpenAIの広告主向け登録から始めるのが実務的です。

AI Overviewsの中だけに広告を出せますか

現時点ではできません。GoogleではAI Overviews内に表示された広告だけを直接ターゲティングしたり、配信からオプトアウトしたり、個別に分離してレポートしたりすることはできず、既存の検索・ショッピング・P-MAXキャンペーンの一部として自動的に配信される仕組みです。「AI Overviewsの中だけを狙い撃ちする」運用は現状では難しいため、既存キャンペーンの最適化とAIO・LLMO対策を組み合わせるアプローチが現実的です。

AI検索広告とAI検索対策(LLMO・AIO)はどちらを先に始めるべきですか

まずはAI検索対策で自社がどのように引用・推奨されているかを把握し、そのうえで広告配信を検討するのがおすすめです。AI検索広告は有料の接点づくり、LLMO・AIOは自然な引用・推奨を狙う土台づくりという役割の違いがあります。土台が整っていない状態で広告だけを出しても、AI回答内での自社の見え方が伴わず、効果を取りこぼしやすくなります。

AI検索広告はどの業種に向いていますか

比較検討期間が長い商材、複数の選択肢から選ばれる商材、ユーザーがAIに相談しやすい商材と相性があります。たとえばBtoBサービス、教育、旅行、美容、医療周辺、EC、高単価商材などは、AIとの対話の中で候補として接点を持てる可能性があります。特にECサイトでは、商品情報・構造化データ・レビューなどを整えるECサイトのLLMO対策も重要になります。一方で、機微な領域は媒体側で広告対象外となる場合があるため、自社の業種が各媒体の配信対象かどうかは事前に確認が必要です。

AI検索広告とは、AIが生成する回答の中や周辺に、質問や文脈に応じて表示される新しい検索広告です。狭義のAI回答内広告、広義のAI最適化機能、そして広告ではないAIO・LLMOを切り分けて理解することが出発点になります。2026年現在、ChatGPT広告は日本でパイロットが始まり、GoogleはAI Overviews周辺への配信やAI Maxへの移行が進む一方、AI Overviews内広告やAIモード広告は日本では未提供・未確定の領域が残ります。まずは全体像を理解し、自社への影響を評価したうえで、既存キャンペーンの整備とAIO・LLMO対策という土台づくりから小さく始めることが、これからのAI検索時代を勝ち抜く第一歩になります。

株式会社アドカルでは、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsなどで自社や競合がどのように表示・引用されているかを調査するAI検索対策・LLMO診断を提供しています。AI検索広告は、出稿可否や媒体仕様がまだ変動しやすい領域です。広告を検討する前に、まずは自社がAI検索上でどのように見えているか、競合と比べてどこに改善余地があるかを把握したい方は、お気軽にご相談ください。

※本記事の提供状況・数値は執筆時点(2026年6月)の公開情報・報道に基づきます。各媒体の仕様・提供範囲は変更される可能性があるため、出稿判断の際は必ず各社の公式情報をご確認ください。


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