リスティング広告のコンバージョン率(CVR)を劇的に改善する方法

 
 

この記事でわかること

  • コンバージョン率(CVR)の概要
  • リスティング広告におけるコンバージョン率の重要性
  • リスティング広告のコンバージョン率を劇的に改善する方法
谷田 朋貴

監修者プロフィール

谷田 朋貴

一橋大学卒業後、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、Web専業広告代理店を経て、株式会社電通デジタルに入社。アカウントプランナーとして国内の大手クライアントに対し、運用型広告を中心にデジタル全体のプロモーション施策の戦略立案・実行に従事。2023年12月、株式会社アドカルを創業。

リスティング広告の運用を行う上で、

「コンバージョン率(CVR)の方法が分からない」
「コンバージョン率(CVR)が悪化している要因が分からない」

という悩みを持たれている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。リスティング広告の成果を最大化する上で、コンバージョン率が低下している要因を特定して、改善していくことが重要になります。

当記事ではリスティング広告の運用における、コンバージョン率を劇的に改善する方法について詳しく解説します。

コンバージョン率(CVR)とは

コンバージョン率(CVR)は、ランディングページへの訪問ユーザー数に対して、ユーザーが目的のアクション(例えば購入、問い合わせ、登録など)を行った割合を示す指標です。この割合は通常、パーセンテージで表されます。

リスティング広告におけるCVRの計算は、コンバージョン数をクリック数で割り、その結果に100を掛けることで求められます。

コンバージョン率は、リスティング広告がどれだけ効果的に目的を達成しているかを評価するための重要な指標です。コンバージョン率を高めるための改善策には、キーワードの精査、広告文の最適化、ランディングページの改善などがあります。

コンバージョン率は商材や業界などの指標によって異なり、平均値も変動します。例えば、無料で提供されるコンテンツやサービスはユーザー目線で利用や申し込みのハードルが低くなるため、コンバージョン率が高くなる傾向にあります。一方で高額商品の購入の場合は低くなります。

業界別のコンバージョン率の平均値

自社のコンバージョン率の目標を定める上で、どの程度のコンバージョン率があればいいでしょうか。

コンバージョン率は業界や提供している商材によって変わります。

参考値としてアメリカのWordStreamという広告会社が調査した、Google広告の業種別平均コンバージョン率をご紹介します。業界によって、コンバージョン率の平均値に差異があります。

業界平均コンバージョン率
自動車6.03%
B2B3.04%
消費者向けサービス6.64%
出会い系サービス9.64%
EC2.81%
教育3.39%
求人サービス5.13%
金融&保険5.10%
医療保険3.36%
家庭用品2.70%
産業サービス3.37%
法律6.98%
不動産2.47%
IT・テクノロジー2.92%
旅行関連3.55%

コンバージョン地点が商品購入なのか、資料請求なのか等によっても大きく変動するのであくまで参考値としてご確認ください。

筆者の経験上、リスティング広告において、商品購入であれば1.0%~2.5%、問い合わせや資料請求などの無料のコンバージョンであれば1.5%~5.0%がおおよその目安です。

リスティング広告のコンバージョン率が低い場合、要因がいくつか考えられます。ここでは主な要因を3つ紹介します。

リスティング広告のコンバージョン率が低くなる要因3点

1.自社の商品やサービスとの関連性の低い検索語句からの流入が多い

自社の商品やサービスの購入に結びつかない検索語句でのユーザー流入が増えると、コンバージョン率が下がってしまいます。

例えば、自動車免許を取得するための教習サービスを提供している教習所のリスティング広告を、教習所では取り扱っていないバイクの免許を取りたいユーザーがクリックしてもコンバージョンにはつながりません。

リスティング広告のコンバージョン率が低下しているときは、ユーザーの検索語句レポートを確認して、自社商品やサービスに関連のない語句があれば、除外キーワードの登録をしましょう。

特に「部分一致」のマッチタイプを使用している時は、広く検索語句に配信キーワードが反応するので、頻度高く精査するようにしましょう。

ユーザーのニーズに合っていない広告文を配信している場合もコンバージョン率が低下します。

コンバージョンにつながりやすいユーザーが広告をクリックしてコンバージョンしないので、全体のコンバージョン母数が少なくなります。

例えば、「自動車免許 東京 安い」と検索したユーザーに対して、「東京で自動車免許を取るなら○○」という訴求のみの広告文を配信した場合、ユーザーのニーズである「安く免許を取りたい」を満たしていないので、広告がクリックされずコンバージョンにもつながりません。

このように、コンバージョンする可能性が高いユーザーをひきつける広告文を配信する必要があります。

3.LPがユーザーのニーズを満たしていない

ユーザーのコンバージョン地点に最も近いLP(ランディングページ)の内容が、ユーザーニーズを満たしていないとコンバージョン率が下がります。

検索語句にマッチしたキーワードで、いかに魅力的な広告文を配信しても、LPがニーズにマッチしていないとユーザーは離脱してしまいます。

また、LPの内容が広告文と全く異なっていてもユーザーの混乱が生じ、離脱につながります。

リスティング広告のキーワードや広告文の設定がしっかりできていても、LPに問題があるとコンバージョン率は大きく低下してしまうので、ユーザーニーズに合わせたLPを制作しましょう。

ここでは、リスティング広告のコンバージョン率を劇的に改善する方法を5つ紹介します。

リスティング広告のコンバージョン率を劇的に改善する施策5選

コンバージョン率を上げるには、ターゲットにあった適切なキーワードを選定し活用することが重要です。商品やサービスと関連性の高いキーワードを選定しましょう。

また、検索語句のレポートを見て、コンバージョンにつながる語句をキーワードとして登録しましょう。

Google広告で左側メニューの「検索語句」を押すと検索語句別のデータを確認できます。

検索語句を費用降順に並べて、コンバージョンが獲得できている検索語句が配信キーワードとして登録できているか確認しましょう。登録していない場合はすぐに登録すべきです。

2.除外キーワードの登録

除外キーワード


除外キーワードとは、ある特定のキーワードを含む検索語句に対して、あらかじめ広告が表示されないように設定する機能です。この機能を利用すると、自社の商品やサービスに関連性の低い検索への広告配信をすることなく、広告費用を効率的に活用し、高いコンバージョン率の達成を目指すことが可能です。

例えば上図のように「やり方」という語句を除外キーワードに設定した場合、「やり方」が含まれた検索語句では広告が非表示になります。

除外キーワードの選定方法としては、検索語句レポートを費用降順に並べて、費用を多くつかっているがコンバージョンが獲得できていないキーワードを中心に登録するのが良いです。


コンバージョン率が低い検索語句を除外キーワードとして広告が出ないようにすると、全体のコンバージョン率の改善につながります。

3.魅力的な広告文の作成

ユーザーの悩みやニーズを捉え、それを商品やサービスを利用することで解決できるという点を広告文で訴求することで、コンバージョンにつながる可能性の高いユーザーが広告をクリックしやすくなります。

また、ユーザーのクリック率を高める、魅力的な広告文の作成にはいくつかの効果的なテクニックがあります。まず、広告文の見出しに「コンバージョン率を改善する5つの方法」といったようにターゲットキーワードと数字を盛り込むことで、ユーザーの注目を集めることができます。

また、説得力のあるアクションフレーズを使い、ユーザーを行動に移させるのも重要です。「今すぐチェック」や「無料で試す」などの言葉を活用しましょう。

4.LPの改善

広告のランディングページを最適化することも、コンバージョン率を改善するために欠かせません。キーワードや広告文とLPの内容に一貫性があるか、ユーザーのニーズを満たしているか確認しましょう。

また、下記のリスティング広告の成果を最大化するLP構成のポイント5つをクリアできているか確認しましょう。

1.ファーストビューで商品特徴と商品を利用した際のユーザーのメリットを明示
2.自社商品と他社商品との比較
3.権威や実績の明示
4.お客様の声や口コミの記載
5.購入や問い合わせボタンの適切な配置と効果的な文言の記載

5.入札戦略の見直し

入札戦略は、広告キャンペーンで重きをおきたい指標を選んで、それに応じた最適化を狙う単価設定を実施します。例えば「クリック数」を選択すると、クリック数が最大になるように自動で入札の戦略が行われます。

リスティング広告で選択可能な入札戦略は下図の4つになります。

リスティング広告で選択可能な入札戦略は「クリック数の最大化」「目標インプレッションシェア」「コンバージョン数の最大化」「コンバージョン値の最大化」

広告の配信開始時はデータが溜まっていない状況なので、まずはサイトにクリックを最大限集める「クリック数の最大化」を選択しましょう。

コンバージョンが溜まってきたら、コンバージョン数の最大化に切り替えましょう。この時、オプションで目標コンバージョン単価を決めて、その目標値を狙って自動で入札を行うことができるので、必ず設定しましょう。

リスティング広告のコンバージョン率を改善する方法を解説してきました。ただし、ここまでで取り上げたキーワードや除外キーワードの見直し、広告文やLPの改善はリスティング広告の戦略にもとづく戦術になります。

つまり適切な戦術を実施する上で、改めて戦略を見直すことも必須です。

ここからは、戦略を見直す上で必要な3つのステップを解説します。イメージがつきやすいように比較的安価だが宿泊施設は無い個室サウナで集客を行うと仮定して、リスティング広告の戦略を立案します。

1.達成すべき目的・目標とKPIの見直し

まずは、達成すべき自社の目的・目標を改めて見直しましょう。

自社サービスの販売促進・認知拡大といった大枠でとらえた目的から、商品のEC上の売上拡大やサイトでのリード獲得などより具体的な目的・目標設定もよいでしょう。

その目的・目標設定に対して、中間ゴールとなるKPIを定める必要があります。

目標が売上高の場合は、KPIは商品購入数や問い合わせ数になります。KPIを立てる際の注意点としては、なるべく数値化可能な指標にしましょう。数値化していないと進捗を追えないので、KPIとしては不適切です。

今回の個室サウナで目的・目標・KPIを設定する場合、下記のような内容になります。

目的 目標 KPI

2.ターゲットを明確にするために3C分析を行う

3C分析とはCustomer(市場)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つの観点を踏まえて自社の現状を分析するフレームワークのことをさします。

自社の商品が属している市場の状況や自社の優位性・ユーザーから好まれている点、競合のサービスや施策状況を分析した上で、自社が狙うべきターゲットとなるユーザーを改めて明確化します。

そして、ターゲットとなり得るユーザーが、普段どのようなことを考えて行動しているか、どのようなメディアをみているか、商品を比較検討する際にどんな感情・気持ちの変化があるのかを分析しましょう。

今回の個室サウナで3C分析とターゲット設定を行う場合、下記のような内容になります。

3.目的やターゲット設定を踏まえて戦略を定める

最後に目的や目標、KPIと設定したターゲットを踏まえながら、目的を達成するための方針を立てます。リスティングの場合は、具体的に「誰に何を伝えるか」という方針が決まれば、それが戦略になります。

今回の個室サウナで集客する場合のリスティング広告戦略の立案例です。

ここまでコンバージョン率を改善する方法について解説してきましたが、ここでは改善施策を実施する際に効果的なツールをご紹介します。

Microsoft Clarity

引用:https://clarity.microsoft.com/lang/ja-jp

MicrosoftのClarityはヒートマップと呼ばれるツールで、ユーザーがLP上でとった行動や反応を視覚的に確認できます。無料で利用できます。

下図のように、LP上でユーザーに良くクリックされている箇所が赤く表示されるなど、ユーザーの行動が可視化できます。ユーザーがWebサイト上でどんな行動をしているのかがわかります。

LP上でユーザーに良くクリックされている箇所が赤く表示されるなど、ユーザーの行動が可視化できます。ユーザーがWebサイト上でどんな行動をしているのかがわかります。


このツールを使うと実際のユーザー行動が把握できるため、コンバージョン率を改善する上で、ランディングページ上のどの箇所の導線を改善したら良いかを見定めることができます。例えば、問い合わせボタンがクリックされていないことが分かれば、ボタンのデザインや文言を変更するといった施策を打つことができます。

無料とは思えない高機能ツールなので、是非活用してみてください。

Q.コンバージョンを計測するにはどうしたらよいですか?

Q.コンバージョン率は管理画面のどこで確認できますか?

A.各キャンペーン、広告グループ、広告、キーワードの画面を開くと、表示項目に「コンバージョン率」があるので、そこで確認が可能です。表示されていない場合は青枠の「表示項目」を押して、コンバージョン率にチェックを入れて表示設定をしましょう。

下図はGoogle広告の管理画面ですが、Yahoo!広告もほぼ同様です。

A.各キャンペーン、広告グループ、広告、キーワードの画面を開くと、表示項目に「コンバージョン率」があるのでそこで確認が可能です。下図はGoogle広告の管理画面ですが、Yahoo!広告もほぼ同様です。

Q.媒体のコンバージョン数と実購入数のズレが生じていて困っています

A.結論、媒体のコンバージョン数と実購入は基本的に乖離が起きます。主な理由として、リスティング広告やSNS広告など複数の媒体に接触してユーザーがコンバージョンした場合、それぞれの媒体でコンバージョンが計測されてしまいます。(リスティング広告とMeta広告経由で商品を1件購入した場合、リスティングとMetaで1件ずつコンバージョンがカウントされます。)

リスティング広告におけるコンバージョン率(CVR)の改善方法について詳しく解説しました。

皆さんも、この記事で紹介した方法やコツを実践し、広告効果の改善に取り組んでみてください。適切な広告運用によって、売上拡大と事業の成長を実現しましょう。


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