リスティング広告のやり方を徹底解説|今すぐ始められる7ステップ

 
 

この記事でわかること

  • リスティング広告のやり方
  • リスティング広告運用で必須のテクニック
  • リスティング広告で高い成果を出すコツ
谷田 朋貴

監修者プロフィール

谷田 朋貴

一橋大学卒業後、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、Web専業広告代理店を経て、株式会社電通デジタルに入社。アカウントプランナーとして国内の大手クライアントに対し、運用型広告を中心にデジタル全体のプロモーション施策の戦略立案・実行に従事。2023年12月、株式会社アドカルを創業。

そんな方に向けて、記事を読みながら準備を進めるだけで簡単に始められるように、リスティング広告のやり方を当記事にまとめました。

初心者の方でも分かるようにかみ砕きながら丁寧にご説明します。

是非最後までご覧ください。

目次

リスティング広告を始める前に、広告を実施する目的と目的に応じた目標を達成するための戦略を立案することが重要です。

目的を決めないと、リスティング広告を始める意義が定まらず、目標を立てて、それを達成するための戦略が決まらないと、成果の出るキーワード選定や広告文作成ができないためです。

ここではその手順を解説します。

リスティング広告を行う目的を決める

まずはリスティング広告を始める前に、実施の目的を定めましょう。

例えば自社サイト上の商品の売上拡大やサイトからの資料請求獲得など、まずはリスティング広告をやる理由を明らかにする必要があります。

商品・サービス別の目的例をあげると下記の通りです。

商品・サービス目的
税理士事務所新規顧客の獲得
toB向けツールリード獲得
美容室予約獲得
サプリメント通販自社ECでの売上数拡大
ライドシェアサービスサービスの認知拡大

リスティング広告の目標を決める(ターゲット・訴求・予算)

その目的に対して、目指すべき目標値を決めます。例えば目的が商品の売上拡大であれば、月間○○件の購入が目標値になります。

下記の表は例です。都内の遺品整理の場合は、ターゲットが「都内に住んでいる遺品整理が必要になった人」、訴求が「東京都の遺品整理なら○○(社名)」、予算が「月間250,000円」になります。

遺品整理税理士事務所サプリメント通販
目的顧客の獲得新規顧客の獲得自社ECでの売上数拡大
目標月間10件の問い合わせ月間5件の問い合わせ月間100件の購入
ターゲット都内に住んでいる遺品整理が必要になった人相続を税理士に相談したい千葉県在住の人楽してダイエットしたい30代~40代の女性
訴求東京都の遺品整理なら○○(社名)千葉県で相続の実績多数1日1回、寝る前に飲むだけでラクラク理想のボディバランス
予算月間250,000円月間200,000円月間400,000円

基本的に配信媒体はGoogleの1択

リスティング広告の主要媒体はGoogle、Yahoo!、Microsoftがありますが、初めて実施する際は基本的にGoogle広告一択になります。

理由は全ての検索エンジンの中でGoogleを使用するユーザーが8割を超えているためです。月予算が100万円以下の場合は、Google広告の攻略に注力すべきです。

注意点としては、リスティング広告は獲得に向いている施策のため、商品やサービスの認知目的であれば、リスティング広告ではなく、Meta広告などのSNS広告やYouTube広告が適しています。

Google広告を例にリスティング広告のやり方の手順7ステップを解説します。

Step1.Googleアカウントを開設する

Google広告

Step2.支払いの設定を行う

アカウントが開設できたら、支払いの設定を行います。支払い用のクレジットカードを登録してください。

広告を実施しない限りは請求は発生しませんので、ご安心ください。

Step3.戦略に沿ってアカウント構成を行う

次に立てた戦略に沿ってアカウント構成を行います。まず、キーワード選定を行い、それを元にキャンペーンと広告グループの2つを作成します。アカウントの構造は下図のとおりです。

キーワードと広告

今回の例の場合、「不用品回収 墨田区」や「遺品整理 墨田区 費用」がキーワードになります。

キャンペーン

キーワードを選定し終えたら、キャンペーンの作成にうつります。

予算の配分を決められるのはキャンペーン階層のみであるので、商材やサービス別に予算を分けて費用対効果を見る必要がある場合は、それぞれキャンペーンをまとめましょう。

また、社名や商品名といった指名キーワードは、クリック単価を抑えて獲得しやすいキーワードです。そのため、他の一般キーワードとはキャンペーンを分けて管理することを推奨します。

したがって、今回の例の場合、下記3つのキャンペーンに分けての配信が考えられます。
・社名キーワード
・不用品回収キーワード
・遺品整理キーワード

広告グループ

次にキーワードと広告を広告グループにまとめていきます。

リンク先が同じキーワードは基本的に広告グループを必ずまとめましょう。

ターゲット別の広告文の出し分けや、商品やサービス別に異なる広告文を出し分ける場合は、訴求別に広告グループをまとめましょう。ただし、むやみに広告グループを分散させるとデータが溜まらず、Googleのデータ学習が進まないのでNGです。

以上を踏まえると、今回の例のアカウント構成は下図の通りとなります。

Step4.入稿する

アカウント構成が終了したら広告の入稿を行います。具体的にはキャンペーンや広告グループの内容を管理画面に表示された内容に沿って入力していきましょう。

Step5.成果計測タグを設置する

入稿が完了したら、成果の計測用の広告タグを設置しましょう。このタグを設定しないと、リスティング広告経由での商品の購入などの成果を計測ができず、広告効果が良かったのか悪かったのか判断がつきません。

Step6.広告審査が通ったかをチェック

リスティング広告の入稿が完了したら、広告審査が行われます。Google広告であれば早くて1営業日で審査が完了します。

下図のように管理画面上で広告のステータスが「有効」になっていれば、審査が終了して配信できる状態になっています。

Step7.広告配信をオンにする

審査が完了したら広告配信を開始します。下図の赤枠部分を選択し、ステータスを「有効」に変更しましょう。変更が完了すると、丸のアイコンが緑になります。

ここまでの説明で広告運用は開始できますが、ここでご紹介する4つの設定は実施するデメリットは無く、メリットしかないので、必ず設定しましょう。それぞれを詳しく解説します。

1.入札戦略の設定

入札戦略は、広告キャンペーンで重きをおきたい指標を選んで、それに応じた最適化を狙う単価設定を実施します。例えば「クリック数」を選択すると、クリック数が最大になるように自動で入札の戦略が行われます。

リスティング広告で選択可能な入札戦略は下図の4つになります。

広告の配信開始時はデータが溜まっていない状況なので、まずはサイトにクリックを最大限集める「クリック数の最大化」を選択しましょう。

2.除外キーワードの設定

除外キーワード


除外キーワードとは、ある特定のキーワードを含む検索語句に対して、あらかじめ広告が表示されないように設定する機能です。この機能を利用すると、自社の商品やサービスに関連性の低い検索への広告配信をすることなく、広告費用を効率的に活用し、高いコンバージョン率の達成を目指すことが可能です。

例えば上図のように「やり方」という語句を除外キーワードに設定した場合、「やり方」が含まれた検索語句では広告が非表示になります。

3.リマーケティングリストの活用

リマーケティングリスト

リマーケティングは、一度サイトに訪問したユーザーに広告を出稿する手法です。一度サイトに訪問しているので、より自社サービスや商品の購入確度が高いユーザーにアプローチが可能です。

リマーケティングを行う場合、配信対象となるユーザーのリストをGoogle広告で登録します。リマーケティングリストは自身で作成、またはGoogle側で自動生成されたものが利用できます。

4.広告アセットの設定

コールアウトアセット

また、広告アセットを設定することで、広告の視認性が高まり、ユーザーが得られる情報も増えるので、この機能は積極的に活用しましょう。

さらにリスティング広告の成果を伸ばしたい場合は、ここで紹介する5つのコツを実践しましょう。それぞれを詳しく解説します。

1.動的検索広告を活用

動的検索広告の仕組み

動的検索広告(DSA)は、リスティング広告の効果を最大化できる手法です。従来の検索広告では、広告主がキーワードを設定し、各キーワードに対応する広告文を手動で設定する必要がありました。しかし、動的検索広告は広告主のサイトコンテンツをリアルタイムで解析し、ユーザーの検索語句に最も適した広告を自動生成し表示します。

獲得につながる思わぬキーワードを発掘できるので、コンバージョン数を拡大したい際は是非活用しましょう。

2.マッチタイプを最適化する

マッチタイプはリスティング広告を表示する際に表示範囲を設定できる機能です。マッチタイプは完全一致、フレーズ一致、部分一致の3種類あります。

マッチタイプ


費用対効果を高めるためには、マッチタイプを有効活用しましょう。

少額予算でリスティング広告を開始する際は、まずは全てのキーワードを「フレーズ一致」で登録して、コンバージョンが多く獲得できたキーワードは「完全一致」に絞って費用対効果を高めましょう。

3.広告カスタマイザの活用

広告カスタマイザとは、ユーザーの検索語句や場所、時間等に合わせて、広告見出しや説明文を動的に変更可能な機能です。

ユーザーの検索語句にマッチした広告文を配信できるのでクリック率が改善し、広告の品質も高まって掲載順位も上がりやすくなります。クリック単価も低下する可能性があります。

4.LPを改善する

ユーザーが広告をクリックした後に訪れるランディングページの質も、費用対効果に大きな影響を与えます。ランディングページは、広告で訴求した内容と一致し、ユーザーの期待を裏切らない内容である必要があります。

広告の成果を高める上で、分かりやすいナビゲーションやユーザーのニーズに合ったコンテンツ内容への改善が重要です。

5.広告データを分析し改善する

広告の成果が目標値に到達するように、改善を繰り返しましょう。広告のデータを分析して、悪くなっている要因を把握し、適切な打ち手を実行することが重要です。具体的な分析や改善の方法は下記の記事で解説しております。

リスティング広告を実施する際の注意点2つを解説します。

広告の規定に従う|審査落ち・アカウントバンを回避

媒体が定めている広告の規定に沿って、入稿を行いましょう。

規定を無視した広告文やランディングページを使用すると、広告の審査で落とされてしまいます。また、最悪の場合アカウントの凍結もあり得ます。

事前に必ず規定を確認しましょう。下記のGoogle公式のヘルプページもご参照ください。

商標登録されているキーワードは広告を出さないのが無難

他社が商標登録しているキーワードでリスティング広告を配信するのは、法律違反ではないです。また、GoogleやYahoo!のポリシー違反ではないので、配信は可能です。

ただし、商標登録されているキーワードで広告配信を行うと、ユーザーの混乱を招き、商標登録している会社の集客に影響を与える可能性はあります。

企業間でこのキーワードは出稿OK、このキーワードはNGといった紳士協定を結ぶといった対応が発生するので、商標登録されているキーワードは広告を出さないのが無難です。

リスティング広告の費用相場は、一般的に1ヶ月で20万~30万円程度が目安になります。 リスティング広告の費用は、広告主が属している業界や配信するキーワード、達成したい目標値によって変わります。

実際には、業界の相場の把握やデータ分析などを行って予算を決めるべきですが、このプロセスは非常に難しく、専門知識も必要です。実際のところ、多くの企業様の場合は20~30万円程度の予算でリスティング広告のテストには十分です。

また、広告代理店に運用代行を依頼する場合と自社内で運用(インハウス)するかによっても異なってきます。広告代理店に依頼する場合は、運用手数料が広告費の15%~25%程度かかります。

リスティング広告の実施を検討する際に、SEO対策やSNS広告等の他広告との違いや優先度を悩まれている方もいらっしゃるかと思います。

結論、商品・サービスの購入が目的である場合は、成果が出るまでの期間や費用対効果を考えるとリスティング広告が最優先です。その理由について違いを交えながら解説します。

SEO対策と比べて短期で成果が出る

リスティング広告の特徴として、上手くいけば短期で効果が出るという点があげられます。直ぐにWebサイトに集客を行って効果を見たいという場合に、リスティング広告を実施すれば可能になります。

同じ検索エンジンからの集客を行う手法であるSEO対策とよく比較されますが、大きな違いはその即効性にあります。

SEO対策と比べて短期で成果が出る

他広告と比べて費用対効果が高い

リスティング広告は、設定した特定のキーワードを検索したユーザーにのみ広告配信が行われるので、既に自社の商品・サービスに興味を持っている顕在層にアプローチできるのが特徴です。

他の広告、例えばInstagramやFacebook面に配信できるMeta広告やSmartNews広告などは、基本的にユーザーの興味関心に合わせてターゲティングを行う、まだニーズや悩みが顕在化していない潜在層向けのアプローチです。そのため、獲得目的であれば、リスティング広告に比べると費用対効果は良くないケースが大半です。

リスティング広告のやり方や成果を出すコツについて解説しました。

リスティング広告を始めて実施する場合はまずは20万~30万円で配信してみて、進捗をみながら柔軟に調整しましょう。

また、広告代理店を上手く活用しながら費用対効果を高めていきましょう。


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Q.リスティング広告費用の決め方を教えて欲しいです

Q.リスティング広告の費用対効果を高めるにはどうすればいいでしょうか?

Q.広告代理店に運用代行を依頼する場合の費用相場を知りたいです

A.各社の料金体系によって異なりますが、マージン型の場合は広告配信費用の15%~25%程度が相場です。